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院長日記

昨年のベストスリー
[2013/01/29 14:02:28]


昨年のベストスリー
5年前の6月に父親が亡くなった。
僕の歌舞伎好きをよく知っている和尚さんが諫めてくれた。「先生ね、来月の松竹座だけは控えなさい」
すでにチケットは買ってある。
喪に服する期間は歌舞音曲を慎むものだが、日が近づくにつれ居ても立ってもいられなくなってきた。
その日の朝、とうとう禁をやぶって出掛けてしまった。
父は芝居好きでもなんでもないが、ゴルフが好きだったので気持ちは解ってくれるだろう。
そう思うことにした。

芝居のためなら親不孝も平気でやりかねない、そんな僕が、昨年観劇した芝居のベストスリーを決めてみた。

まず、第3位。秀山祭三月大歌舞伎(南座)「俊寛」
人間国宝になった中村吉右衛門の俊寛、敵役の瀬尾を中村歌六が演じる。この演目、俊寛が岩に登って赦免船を「おおい、おおい」と追い叫ぶところばかりがクローズアップされるが、今回の俊寛は、瀬尾と俊寛の丁々発止の台詞劇であることに初めて気づかされた。脇役として今最も充実している歌六の存在が大きかった。

第2位、壽初春大歌舞伎(松竹座)「積恋雪関扉」
舞踊劇で市川團十郎がおおらかに関守関兵衛を、坂田藤十郎が80歳とは思えない艶っぽさで傾城墨染を踊った。後半二人は本性をあらわし、悪人大伴黒主と桜の精となって立ち廻りを演じる。團十郎という役者は決して器用な人ではないが、今回のような小手先が通用しない役は時に素晴らしいものとなる。荒削りに見えるが魂のこもった、なんというか円空仏を鑑賞するかのような舞台であった。

そして第1位、七月大歌舞伎(松竹座)「荒川の佐吉」
やはり片岡仁左衛門が好きである。何度、痛快な台詞回しに胸のすく思いをしたことか。
何度、彼が見せる親子の情や忠義の情に涙腺を刺激されたか。そんな時には周囲にもすすり泣く声があちこちで聞かれこちらも堪えられなくなる。仁左衛門は團十郎とは違って何でも器用にこなす役者で、見栄えもするし声もいい。上方の芝居から江戸の荒事、世話物まで芸の幅が広い。中でも江戸の庶民の生活を描いた世話物がいい。「荒川の佐吉」も江戸の世話物に入る。仁左衛門がたっぷり親子の情、忠義の情をみせてくれた。今回は夜の部を観た後だったので、昼の部の「荒川の佐吉」は節約して三等席からの観劇だった。一等で観ればよかったと後悔した。いい芝居は近いところから観るにかぎる。